働く女性のためのマンション購入 - 住宅ナビ

不動産投資の楽待

働く女性のためのマンション購入

大久保 恭子 大久保 恭子(おおくぼ きょうこ)
「住宅情報」の元編集長で、現在は「マンション評価ナビ」を運営している大久保恭子氏が、ライフプランの様々な側面を通して、働く女性のためのマンション購入のポイントを、女性ならではの視点で語ります。
第3回 将来結婚、出産しても大丈夫なマンションは「立地」が決め手
公開日 2010/4/23

将来の変化というリスクに強い立地とは?
シングル女性の将来は、不確定要素が多いものです。
この先には、大雑把に予想しても8通りの人生の分かれ道があります。
結婚する・しない×出産する・しない×子育て中は仕事を辞める・辞めない=8通りの生き方

生き方が違えば、暮らしぶりも異なります。住まいは暮らしを支える器ですから、暮らしぶりが違うと、必要とする環境や住宅の形態も異なります。そして、環境や住宅形態は立地で決まります。
とはいえ、今だけではなく、将来の暮らしの変化も視野に入れて適切な立地を、確信を持って選ぶことのできる方は、少数派だと思います。
では、どうすればいいのでしょうか?

つまるところ、シングル女性は「不確定要素の高い人生」というリスクを、最小限に抑える立地、ひらたく言えば、人生どっちに転んでも何とかなる立地を選ぶことが求められるというわけです。
そうした立地とは、具体的にはどこをさすのでしょうか?
立地は、勤務先(おもに都心)からの電車による乗車時間でみる「通勤立地」と最寄駅からの徒歩時間でみる「生活立地」の2つの掛け合わせで考えます。

「通勤立地」は都心から乗車時間10分の立地を都心、20分を準都心、30分を準郊外、40分を郊外と4つに区分しています。

「生活立地」は最寄駅からの徒歩時間0〜5分を駅近エリア、6〜10分を徒歩圏エリア、11〜15分をギリギリ徒歩圏エリアと3つに区分しています。本来であれば、16分以上のバス便エリアも加わるところですが、利便性第一のマンションですから、あえて除くことにします。

通勤立地は都心から20分以内が決め手
それでは、まず、通勤立地の結論です。
通勤立地は、都心、準都心が適しています。準郊外は明確に結婚、出産すると決め、ある程度実現の目途が立っている方であれば、選択肢になり得ますが、そうでない方にはお勧めしません。郊外はファミリー向けの立地ですので、対象外といえるでしょう。 何故、都心、準都心なのかという理由は3つあります。

■1つ目の理由は、貴重な時間が有効に活用できるということです
時間だけが、人間に唯一平等に与えられた資源です。できれば、この時間を趣味や勉強など、自分の成長や暮らしを豊かにすることに使いたいものです。でも、現実は仕事が暮らしの中心で、時間に追われる毎日を過ごしています。少しでも自由な時間を生み出すためには、毎日の通勤時間を削減するのが、一番の近道です。会社勤めの方々は否が応でも毎日の暮らしは、会社と自宅を行ったり来たりする振り子運動の連続です。通勤時間は短かければ短いほど楽ですし、この時間は会社へ無償で提供していると考えれば、余計短くしたいものです。

たとえば、手取り年収500万円の方が、ドアツードアで片道30分(往復1時間)にするのと、90分(往復3時間)にするのでは、この先30年間通勤したとして、会社へ無償で提供する時間コストは、 往復1時間 2415円×1時間×20日/月×12カ月×30年=1764万7200円 往復3時間 2415円×3時間×20日/月×12カ月×30年=5294万1600円 となります。往復3時間の通勤は、計算上の話ではありますが、もう2件マンションが買えるくらいの時間コストですね。 実際にお金換算してみると、通勤時間を短縮し、自分のために時間を使いたい!という気持ちが高まるはずです。

■2つ目の理由はシングル向きのマンションが多いということです
都心から乗車時間20分圏内というと、東京は吉祥寺、神奈川は川崎、千葉は浦安、埼玉は川口あたりになります。この圏内であれば、賃貸、分譲を問わず、マンションの量は多く、形態も1ルームから4LDKとバリエーションが豊富です。とりわけ10分圏内にはシングルを含む小家族向けの2LDK以下の住戸がマンション1棟あたり、40〜50%程度は含まれています。なかには、100%を占めるマンションも散見されます。

一般的に、マンション市場はファミリー向けの3LDKが中心です。乗車時間30分以上の準郊外、郊外型のマンションには、探しても1ルームや1LDKの住戸のあるマンションに巡り合うチャンスはほとんどありません。シングルの方々の好みにあった、間取りタイプのマンションに巡り合う確率は、都心、準都心が高いといえるでしょう。

実際のところ、2010年3月の新築マンションの供給動向を見てみると、都心・準都心型立地の供給量は23区・川崎・横浜で58%のシェアとなり、品ぞろえは準郊外、郊外型より多く、自分にあったマンションにめぐりあう確率が高いことを裏付けています。

■3つ目の理由は、将来住み替えるときに、売りやすい、貸しやすいということです
将来、結婚や出産で家族が増え、働く女性から子育て中心の専業主婦へとライフスタイルが大きく変わると、当然ながらこれまでのマンションでは暮らしにくくなり、新しい暮らしにあった住まいに住み替える必要性が生じます。そのようなときのことを考えて、できるだけ高く(とまではいかなくても値下がりしにくい)、早く、売るもしくは貸すことができる立地を選びたいものです。それが都心・準都心型立地なのです。

2008年度の中古マンションの成約件数は首都圏全体で28,744件でした。そのうち、都心・準都心型立地である東京23区(10213件)と横浜・川崎(5909件)の成約件数は16,122件で全体の56%を占めています。 将来、買い換える可能性を視野に入れると成約件数の多い=市場性の高い都心・準都心立地のほうがお勧め、というわけです。

ちょっと先の話ですが、2050年には日本の人口は1億人をきることが予想されています。そうなれば、減少する財源を効率よく投資しようと、人が集まる都心部に集中的に道路、鉄道、病院、介護・教育・商業施設などの生活インフラは整備されていきます。その利便性を享受しようと、更に都心に近いところに人口は集積します。したがって都心・準都心型マンションへのニーズは人口が減っても安定的に確保できることが想像されます。万一、ずっとシングルを貫くにしても、老後の生活を支える資産として見ると、都市型のほうが価値は維持できるというものです。

半面、こうした立地は価格が高いという点が悩ましいところです。 2010年3月の新築マンションの価格動向を例に見てみると都心型立地である、23区のm²単価は、79.8万円(100)となっており、23区エリアのm²単価を100として見た場合都下 58.4万円(73)、神奈川 57,7万円(72)、千葉 46.3万円(58)、埼玉 48,8万円(61)となり、都心型に比べて郊外型は買いやすい価格水準になっています。

将来の変化に強い立地を選ぶのであれば、立地を優先させ、広さについては妥協する(ただし、35m²以下では、折角買うには狭すぎます)という考えをお勧めします。 たとえば、2010年3月末時点で、東京都新宿区の神楽坂駅徒歩4分、38.53m²・1LDKの新築マンション(70年間の定期借地権)が2690万円で販売中でした。 2008年秋のリーマンショック以降、マンション価格は下落傾向にあり、現在は買いやすい水準にあります。
前半  後半

バックナンバー
第1回 マンションを買えば、老後は安心か?
第2回 働く女性の買い時はいつ?
第3回 将来結婚、出産しても大丈夫なマンションは「立地」が決め手
第4回 不動産会社の営業マンに軽く見られない方法
第5回 一度の見学ですべてが分る現地チェックの方法
第6回 働く女性に向くマンション(1) 都心VS郊外
第7回 働く女性に向くマンションはどちら?(2) 大規模VS小規模
第8回  働く女性に向くのは何階?  高層VS低層
第9回 大震災を機に考える「安全・安心に暮らせるマンションとは」
第10回 新築VS中古!? マンションは築年数で見分けよう!
第11回 片付く立地選びのチェックポイント

大久保 恭子 大久保 恭子(おおくぼ きょうこ)
■プロフィール
1979年 リクルート入社
1987〜1999年 週刊住宅情報編集長
2000年 執行役員住宅情報事業担当
2003年 日立キャピタルに転職し、マーケティング担当事務役員
2005年 風 取締役社長
2007年 マンションのポータルサイト マンション評価ナビをOPEN

マンション・一戸建てのマーケティング・商品開発、コンサルテーション等を行う。国土交通省 社会資本整備審議会建築分科会委員、都市再生機構経営基本問題懇談会家賃部会委員等の公務歴あり。

■WEB
マンション評価ナビ
私基準のマンション選び
都心のマンションに住む

大久保恭子氏の著書
大久保恭子氏の著書をご紹介します。
マンション選びは「立地」がすべて
お片づけは『家ロジ』で。
お片づけは『家ロジ』で。


講談社
誰でもできる"驚異のお片付け革命"完成!
物件数千軒を見てきた元「住宅情報」編集長が、その経験を生かして編み出した、誰でもできる"驚異の片付けシステム「家ロジ」! これは画期的お片付け革命!


「家ロジ」とは!?物流システム「ロジスティクス」をお片付けに応用した、まったく新しい「お片付け」術です!モノだらけの家は大ケガの元で危険です!これからは「家ロジ」でスッキリ・シンプルな暮らしが安全・安心なのです。

この本を購入する

マンション選びは「立地」がすべて
誰も教えてくれない「不動産屋」の始め方・儲け方
マンション選びは「立地」がすべて


河出書房新社
リクルート『住宅情報』元編集長が教える、
絶対後悔しない物件選びのコツ。


マンション選びは住むにも売るにも「立地」がすべて。その立地を、元「住宅情報」編集長が、12のタイプに分類し、シングルやファミリー、シニアといったライフステージ別に絶対後悔しない物件選びのコツを伝授する。

この本を購入する

複数社から届く査定額をじっくり比較検討する事が出来ます

東京・神奈川・横浜・川崎・埼玉・千葉の中古マンションや京都・大阪・愛知・兵庫の新築一戸建てをお探しの方へ、「住宅の楽待」は不動産情報提供サイトです。

Copyright(C)FirstLogic.Inc All Rights Reserved.