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不動産投資の楽待

住宅トラブル、ズバリ解決!

大谷昭二 大谷 昭二(おおたに しょうじ)
日本住宅性能検査協会によって設立されたADR(裁判外紛争解決)センター、「日本不動産仲裁機構」を運営する大谷氏が、不動産取引・施工・敷金問題など、住宅にまつわるトラブルの実例を紹介し、その解決策を明快に解説いたします。
第1回 瑕疵担保責任 契約解除は可能か?
Q. 瑕疵〔カシ〕がある建物で売買契約を結んでしまいました。契約解除は可能でしょうか?

A. 建物の売買で、買主が建物の瑕疵を理由として売買契約を解除することが可能とされるのは、瑕疵が「隠れた瑕疵」であり、その為に契約の目的が達せられない場合に限られるとされています。(法570条、同法566条1項)

一見簡単に解除出来るように読めますが、建物売買が建物の瑕疵で解除されることを実際に認めた裁判例は極めてまれです。
これは民法では、売主と買主両方を保護しているためです。
以下は、実際に「日本不動産仲裁機構」に寄せられた代表例です。
 
相談内容

平成20年7月、売買契約の解除が可能かの相談がありました。

【相談者】
神奈川県藤沢市、32歳会社員。

【建物プロフィール】
山の斜面を掘削して建てた木造軸組3階建で、売り立てにより新築住宅を購入しましたが、当初から、欠陥住宅であることが一見して明らかになるほど杜撰(ズサン)な工事でした。

【入手経路】
形式は売買ですが、いわゆる「建て売り」です。
平成19年4月 建物引渡しを受けました。

【欠陥内容】
ベランダ防水施工不良により、階下のリビング天井、壁、床の腐食が発生しました。

【法律構成】
瑕疵担保、不法行為

 
日本不動産仲裁機構の判断
建物検査の結果、ベランダ防水シート継ぎ目を固定する防水テープがよじれてできた隙間からの浸入、ベランダ受け材の隅、ベランダで入り口窓左枠、下枠と外壁からの浸水と判明しました。
それにより階下のリビング天井、壁、床の腐食が発生しました。


建物の売買で、買主が建物の瑕疵を理由として売買契約を解除することが可能とされるのは、瑕疵が「隠れた瑕疵」である、その為に契約の目的が達せられない場合に限られます。(民法570条、同法566条1項)

建物の売買価格は高額で、売買契約が簡単に解除されるようでは、売主は安心できません。

他方、どのような場合でも解除できないとすれば、瑕疵のある建物を買った者は大きな損害を被ることになります。

両者のバランスをとったのが民法の規定です。

買主の契約解除権を制限すると同時に、無過失責任である瑕疵担保責任を売主に負わせているわけです。

しかし建物売買が建物の瑕疵で解除されることを実際に認めた裁判例は極めてまれです。

瑕疵のある建物の施工者が発注者や建物の買主にたいして不法行為責任を負うのは、施工者に積極的な加害意思があるなどの特別な事情がる場合に限られるとの判断があるからです。


「建て売り」とは、すでに建物の建築が終わっており、消費者が現物を見てから購入する場合を指し、建て→売る、の順序となります。

「売り建て」とは、土地・建物を一括して売買契約の対象としますが、現実には更地の状態であり、契約後に、建物の建築を始める場合を指し、売り→建てる、の順序となります。

「売り建て」の場合は、形式は売買ですが、実質は請負ともいえるところです。但し、請負では、契約解除を認めない見解があるところから、消費者にとり、有利になるかどうかは、必ずしも一概に言えないところがあります。
 
結論
今回「日本不動産仲裁機構」では、以下の仲裁案を提示して仲裁案通り解決しました。
1.売主に対して施工瑕疵部分の完全修復の為の工事施工明細や作業工程表の提出
2.第三者機関による施工管理
3.損害賠償金額の要求
 
用語解説

●瑕疵担保責任
売買契約の目的物である宅地又は建物に、契約の締結当時に既に瑕疵があった場合には、その瑕疵が隠れたものであれば、売主は、故意過失などを問題とせずに民法上その過失を担保する責任を負うこと。
買主は、売買の目的物に瑕疵を発見したときから、1年以内に損害賠償を請求でき、その瑕疵のために売買の目的を達し得ない場合には、契約を解除する事も出来るとされている。
売買などの有償契約で、その目的物に通常の注意では発見できない欠陥がある場合に、売り主などが負うべき賠償責任。

●不法行為責任
故意または過失によって他人の権利を侵害し、その結果他人に損害を与える行為。
加害者は、その損害を賠償する責任を負う。

●請負契約
請負人がある仕事の完成を約し、相手方たる注文者がその仕事の結果に対して報酬を与える事を約することによって成立する契約。
一般的には建物の建築や土木工事などにする契約。請負人は仕事の結果について担保責任を負うので、瑕疵があればある場合には瑕疵補修あるいは損害賠償を請求できる。注文者の報酬支払いは原則後払いとする。

バックナンバー
第1回 瑕疵担保責任 契約解除は可能か?
第2回 シックハウス 契約解除は可能か?
第3回 欠陥住宅 損害賠償額はいくら?
第4回 瑕疵担保責任が認められる期間は?
第5回 居住者に配慮しない設計・施工への瑕疵担保責任
第6回 屋根裏物置を階とみるか否か
第7回 標準的技術基準を守らなくても違法とはいえない!?
第8回 建物建築業者の地盤調査義務
第9回 えっ!コウモリが? 思わぬ住宅トラブルに
第10回 解体再築の必要あり!
第11回 南向きだと思ってたのに!?
第12回 大量のアリは瑕疵になる?
第13回 輸入住宅の欠陥はどうなる?

大谷 昭二 大谷 昭二(おおたに しょうじ)
■プロフィール
NPO法人日本住宅性能検査協会の理事長。弁護士・一級建築士等30名の陣容でADRセンター「日本不動産仲裁機構」を運営。現在、週刊紙「週刊ビル経営」で【仲裁事案】を連載中。又、仲裁ADR法学会理事、ガーソン・レーマン・グループのカウンシルメンバーでもあります。
日本住宅性能検査協会のホームページはこちら

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