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不動産投資の楽待

住宅トラブル、ズバリ解決!

大谷昭二 大谷 昭二(おおたに しょうじ)
日本住宅性能検査協会によって設立されたADR(裁判外紛争解決)センター、「日本不動産仲裁機構」を運営する大谷氏が、不動産取引・施工・敷金問題など、住宅にまつわるトラブルの実例を紹介し、その解決策を明快に解説いたします。
第2回 シックハウス 契約解除は可能か?
Q. シックハウスのある新築住宅を購入してしまいました。契約解除は可能でしょうか?

A. シックハウス問題は大変困難な問題です。判例では会社がJASやJIS基準に沿った建材を使用していることを認めながらも、結果責任としての瑕疵担保責任を認定しています。
つまり測定の結果、厚生省の定めた基準値を超えていれば、それで契約解除〔売買の場合〕が認められる可能性が高いといえます。

以下は、実際に「日本不動産仲裁機構」に寄せられた代表例です。
 
相談内容

【相談者】
東京都世田谷区 42歳 大学教員。

【建物プロフィール】
建て売りにより木造3階建て新築住宅を購入しましたが、当初から、建築臭が気になり生活が困難だとして販売会社に調査及び改善要求をしていました。

【入手経路】
形式は売買、いわゆる「建て売り」。
平成20年2月 建物引渡し。

【欠陥内容】
シックハウス問題による「瑕疵担保責任」等。

【法律構成】
瑕疵担保責任、消費者契約法による取り消し、錯誤無効、債務不履行責任、不法行為責任

 
日本不動産仲裁機構の判断

平成20年8月、「日本不動産仲裁機構」に売買契約の解除が可能かの相談がありました。
提出された販売業者のチラシでは環境物質対策基準であるJASやJISの基準を充足するフローリング材などを使用した物件である旨をうたっています。

ところで厚生省が平成9年6月に定めたホルムアルデヒドの室内濃度指針値は30分平均値で100µg/m³以下となっています。
さらに建築基準法などの一部改正され平成15年7月に施行されました。このような状況のもと、判例によると本件物件建物の引渡し当時のホルムアルデヒドの濃度が100µg/m³を相当程度超える水準であれば、本件物件にはその品質について、当事者が前提としていた水準に到達していない瑕疵が存在すると認められます。この瑕疵は取引上、要求される一般的な注意を払っても容易に発見し得ないものであって、従って、当該瑕疵の存在につき相談依頼者は善意無過失であり、隠れた瑕疵ということができます。
当該瑕疵は売買目的契約の目的を達成することができないことになります。
従って、販売会社に対し、売主の瑕疵担保責任として売買契約を解除して損害賠償を請求することが出来るとしました。

「日住検」提携検査機関により当該物件を8月25日簡易測定をしました。測定値は約0.07ppmでした(指針値のµg/m³は室温25℃で換算すると約0.08ppm)。
微妙な結果なので、別検査機関にて再調査することになりました。また3階の一部に違法建築工事が行われていることが判明しました。現在販売会社と仲裁中です。

シックハウス問題は大変困難な問題です。判例では会社がJASやJIS基準に沿った建材を使用していることを認めながらも、結果責任としての瑕疵担保責任を認定しています。
つまり測定の結果、厚生省の定めた基準値を超えていれば、それで契約解除〔売買の場合〕が認められる可能性が高いのです。

確かに解除されても建物は売主に戻ってくるから再販すればよいのであろうが、果たして買い手がつくか不安です。しかも中古建物として価値が著しく低くなることをどう防げるか難問だらけです。業界全体がこの問題に真摯に取り組まないと大変なことになります。現在でもシックハウスの相談はトラブルの上位にランクされています。

 
用語解説

●瑕疵担保責任
売買契約の目的物である宅地又は建物に、契約の締結当時に既に瑕疵があった場合には、その瑕疵が隠れたものであれば、売主は、故意過失などを問題とせずに民法上その過失を担保する責任を負うこと。
買主は、売買の目的物に瑕疵を発見したときから、1年以内に損害賠償を請求でき、その瑕疵のために売買の目的を達し得ない場合には、契約を解除する事も出来るとされている。
売買などの有償契約で、その目的物に通常の注意では発見できない欠陥がある場合に、売り主などが負うべき賠償責任。

●不法行為責任
故意または過失によって他人の権利を侵害し、その結果他人に損害を与える行為。
加害者は、その損害を賠償する責任を負う。

●債務不履行責任
債務不履行(さいむふりこう)、デフォルト(英: default)とは、債務者が契約などに基づき発生した債務を履行(弁済)しないことをいう。法律学的には「債務者が債務の本旨に従った履行をしないこと」と表現される。なお、法律上の「債務」の不履行とは、貸金の返済などの金銭的債務だけを含むのではなく、いわゆる「義務」の不履行も含まれる。
その中でも特に、債務者に債務を履行しない点についてのなんらかの原因(帰責事由、という)があって債務を履行しない場合をさして使われることもある。債務者がこの意味での債務不履行に陥った場合、債権者は契約の解除や損害賠償を求めることができる。

●消費者契約法
消費者契約法とは、消費者と事業者との全ての契約を対象とする(労働契約は除く)消費者保護のための法律。
消費者契約法は、悪徳商法を排除するためのルールが定められており、消費者はこの消費者契約法によって保護されることになる。
また消費者契約法は、労働契約を除いた消費者と事業者との全ての契約が対象となるため、例えば、クーリングオフ期間を経過してしまった場合や特定商取引法の適用を受けないような契約(取引)でも、契約解除をすることができる場合がある。


※消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し
■事業者が消費者を勧誘するときに以下のような行為をしたことにより、消費者が誤認して契約をしてしまった場合、消費者は申込み又は契約を取り消すことができる。

1.契約の重要事項について事実と異なることを告げること
例)点検商法でよくある「シロアリの駆除」の勧誘で、実際にはシロアリがいないにもかかわらず、「シロアリがたくさんいるので、早く駆除しないと建物が駄目になる」と言われ、消費者が誤認して契約を締結してしまった場合など。

2.将来において変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること
例)証券会社に「この株は、一年後には必ず今の倍の価格になる」などと勧誘され、株を購入した場合など。

■事業者が消費者を勧誘するときに重要事項又はこれに関連する事項について利益になることを説明し、この重要事項について消費者の不利益となる事実を故意に説明しなかったことにより、消費者が誤認して契約をしてしまった場合、消費者は申込み又は契約を取り消すことができる。

■事業者が消費者を勧誘するときに以下のような行為をしたため消費者が困惑し、それにより契約をしてしまった場合、消費者は申込み又は契約を取り消すことができる。

1.消費者が事業者に対し、住居やその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を表示したにもかかわらず、事業者が退去しないこと
例)訪問販売業者が、自宅で勧誘を行った場合に消費者が「帰ってほしい」と告げたにもかかわらず、販売業者が勧誘を続けること。

2.消費者が事業者に対し、勧誘を受けている場所から退去する旨の意思を表示したにもかかわらず、消費者を退去させないこと
例)キャッチセールスやアポイントメントセールスにより、展示会や販売業者の事務所に連れて行かれ、消費者が「帰りたい」と告げたにもかかわらず、販売業者が勧誘を続けること。

※上記でいう「重要事項」とは、以下の事項であって、消費者が契約をするか否かについての判 断に通常影響を及ぼすべきものをいう。

1.消費者契約の目的となるもの(物品、権利、役務、その他)の質、用途、その他の内容
2.消費者契約の目的となるもの(物品、権利、役務、その他)の対価、その他の取引条件


※消費者契約の不当な条項の無効
■事業者の損害賠償の責任を免除する条項は無効となる。

例)事業者の故意による損害が消費者に発生した場合、消費者は事業者に対して、その責任について損害賠償を請求することができないというような条項が定められていた場合など。

■消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等で以下の部分については無効となる。

1.契約解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項で、これらを合算した 額が、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずる平均的な損害の額を超えるものについては、その超える部分が無効

2.消費者が支払期日までに金銭を支払わない場合における損害賠償又は違約金の定める条項であって、年14.6%を超えるものについては、その超える部分が無効

民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効となる。

バックナンバー
第1回 瑕疵担保責任 契約解除は可能か?
第2回 シックハウス 契約解除は可能か?
第3回 欠陥住宅 損害賠償額はいくら?
第4回 瑕疵担保責任が認められる期間は?
第5回 居住者に配慮しない設計・施工への瑕疵担保責任
第6回 屋根裏物置を階とみるか否か
第7回 標準的技術基準を守らなくても違法とはいえない!?
第8回 建物建築業者の地盤調査義務
第9回 えっ!コウモリが? 思わぬ住宅トラブルに
第10回 解体再築の必要あり!
第11回 南向きだと思ってたのに!?
第12回 大量のアリは瑕疵になる?
第13回 輸入住宅の欠陥はどうなる?

大谷 昭二 大谷 昭二(おおたに しょうじ)
■プロフィール
NPO法人日本住宅性能検査協会の理事長。弁護士・一級建築士等30名の陣容でADRセンター「日本不動産仲裁機構」を運営。現在、週刊紙「週刊ビル経営」で【仲裁事案】を連載中。又、仲裁ADR法学会理事、ガーソン・レーマン・グループのカウンシルメンバーでもあります。
日本住宅性能検査協会のホームページはこちら

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