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不動産投資の楽待

日刊不動産経済通信 田村編集長の最新不動産市況

田村 修 田村 修(たむら おさむ)
株式会社不動産経済研究所、日刊不動産経済通信編集長の田村氏が、不動産経済研究所の調査結果などを織り交ぜながら、主に首都圏の分譲マンション市場を中心とした不動産市況を解説していきます。
第1回 首都圏分譲マンション市場を概観する
公開日 2010/1/6
昨年のコラム(楽待注:誰にでもわかる不動産市況)で何度か触れてきましたが、分譲マンション市場は十数年にわたって続いた大量供給ブームが去り、一転して市場規模が縮小しました。少子高齢化という社会構造の変化による影響もあることから、分譲マンション市場は新しいステージを迎えつつあります。

不動産経済研究所では、新規に発売された分譲マンションの市場動向を毎月調査しています。今回のコラムから、当社の調査結果などを織り交ぜながら、主に首都圏の分譲マンション市場を中心とした不動産市況を解説していきます。
 
東京都のマンション発売シェアは首都圏全体の6割強
2009年の分譲マンション市場は、前年9月に起きたリーマンショック後の景気の大幅な悪化に加えて、相次ぐ不動産会社の経営破綻による不動産業界の信用不安を引きずり、新規物件の供給が振るわなかった1年でした。ただ、秋以降は供給動向に回復の兆しがでてきました。

不動産経済研究所の調査では、09年11月に発売された新築マンションは3648戸で、前年同月を10.8%上回りました。販売戸数が200戸を超える大型物件の発売が始まったことなどが主な要因です。09年の前半は売れ残りの在庫処分が中心でしたが、秋以降は新規物件の供給に力を入れる動きがでてきました。

09年11月の首都圏の新規マンション供給をエリア別にみると、首都圏全体の56.3%と最も大きい供給シェアを占めたのが東京都区部で、供給戸数は前年同月比38.9%増の2054戸と大幅に増えました。江戸川区で大手デベロッパー2社の共同による総戸数567戸の大型物件が販売を開始しました。11月に215戸を発売し、月内で170戸に申込みが入っています。

都下の供給は21.6%減と大幅に減少しましたが、都下を加えた東京都のシェアは首都圏全体の6割を超えています。次に供給シェアが大きかったのは15.2%を占める神奈川県ですが、供給戸数は24.8%減の556戸と落ち込みました。そのほか、埼玉県が5.5%増の366戸、千葉県が13.2%減の480戸となっています。
 
単価は下がりにくいが、総額は低下傾向
価格動向をみると、09年11月の首都圏全体の平均価格は4647万円です。前年同月比で7.4%下落しました。ただ、坪当たりの平均単価は229万円で、2.1%上昇しています。単価がなかなか下がらないのですが、専有面積を削ったり、設備機器や部資材など仕様のグレードランクを落とすことなどによって、総額を低く抑えている傾向にあります。

供給が最も多かった東京都区部の平均価格は5156万円で、前年同月比16.4%下落と大きくダウンしましたが、平均坪単価は274万円で、4.2%の下落にとどまっています。神奈川県は平均価格が4.1%下落の4325万円、平均坪単価が1.1%下落の200万円、埼玉県はそれぞれ0.7%下落の3876万円、0.4%下落の170万円、都下は2.7%下落の4098万円、0.9%下落の186万円といずれも前年同月よりダウンしました。唯一上昇したのが千葉県で、平均価格は4.4%上昇の3647万円となり、平均坪単価は14.4%上昇の163万円と大幅にアップしました。
 
売行きは概ね好調に推移
売行きを示す月間契約率は70%を超えると概ね販売状況が好調だと言われています。09年2月までは60%台そこそこで低迷していましたが、3月に78.8%となり、回復基調が期待され、4月以降は概ね70%前後で推移しています。11月の月間契約率は68.8%で、70%を割り込んでいますが、前年同月比では5.6ポイント上回っています。

エリア別では、東京都下が76.6%で最も高く、前年同月比22.3ポイント上昇しました。千葉県も71.3%と70%を超えましたが、前年同月比では7.2ポイントダウンしています。そのほか、都区部が7.4ポイント上昇の69.0%、神奈川県が12.7ポイント上昇の69.1%と、ともに持ち直しましたが、埼玉県は9.6ポイント下落の59.6%となり、60%を割りました。
 
販売在庫は着実に減少、7割が完成在庫
売れ残っている販売在庫は09年11月末時点で6825戸あります。在庫は09年の初めには1万2000戸を超えていましたが、2月末に1万戸を割ってから、順調に減ってきています。アウトレットマンションと呼ばれる在庫の買取り再販を手がける不動産会社が増えたことや、売れ残っても販売価格をある程度を下げると需要がついてきているためです。

11月末時点のエリア別の在庫数は、東京都区部が2784戸、都下が651戸、神奈川県が1571戸、埼玉県が927戸、千葉県が892戸となっています。10月末に比べて都区部だけが158戸増加していますが、その他のエリアはいずれも在庫数が減少しています。販売在庫のうち、建物が竣工している完成在庫は4685戸で、在庫全体の68.6%と約7割にあたります。
 
郊外に供給空白地帯、需要が広域化
09年に新規分譲マンションの発売戸数が大きく減少した背景には、郊外部で供給していた中堅クラス以下のデベロッパーが経営破綻したり、金融機関から事業資金の融資を受けられなくなったことがあります。資金力と信用力のある大手デベロッパーは東京23区内をはじめ、横浜市や川崎市の中心部を主要な供給エリアとしていますが、大手と比べて信用力の劣る中堅以下のデベロッパーはその周辺エリアで主に供給してきました。ところが、供給主体である事業者が少なくなってしまったため、郊外部は一気に供給空白地帯になりました。

ファミリータイプのマンションが低価格で購入できる郊外部は、もともと旺盛な需要があり、過去の大量供給ブームを支えてきました。今は需要に対して供給が不足している状況です。ある大手デベロッパーが東大和市で開発した総戸数202戸の大型物件の第1期65戸が発売され、即日完売しました。東大和市周辺のエリアでは、しばらくマンションの新規供給がなかったため、隣接している小平市の在住者が多く申し込んだことが好調な販売結果につながりました。供給の少ない郊外エリアでは、需要が広域化する傾向にあります。
 
建築費の下落で今後は郊外の供給が増加?
需要が確実にあることがわかっているのですから、今後は大手デベロッパーも積極的に郊外で新規物件を供給してくるでしょう。これまでは建築費が高かったため、土地代に比べて建築費の割合が高い郊外は利益率が低くなることから、大手は及び腰でしたが、建築費が下がってきましたので、郊外部のマンション供給は増加することが予想されます。

民主党連立政権が来年度税制改正大綱で、住宅取得資金の贈与税非課税枠を現行の500万円から、2010年度には1500万円に拡大することを決めました。来年度の予算編成では、住宅金融支援機構の長期固定型住宅ローンで、一定の要件を満たした新築住宅に融資する「フラット35S」の金利を1.0%引き下げることや住宅版エコポイント制度を創設することを決めました。こうした政策による追い風が加わることで、今年の分譲マンション市場は昨年より活性化する見通しです。

参考資料:
2009年11月度版首都圏マンション・建売市場動向[PDF]/不動産経済研究所

バックナンバー
第1回 首都圏分譲マンション市場を概観する
第2回 分譲マンション市場は回復するのか?
第3回 高額所得層にマンションの買い時感広がる
第4回 長期優良住宅のマンションが徐々に浸透
第5回 春の商戦に向け好調なマンション市場
第6回 マンション市場を回復させた供給側の姿勢
第7回 郊外でのマンション供給が増えると市場がより安定
第8回 マンション商品企画のトレンド
第9回 今年の首都圏マンション市場を展望する
第10回 マンションデベロッパーの実情
第11回 震災後の分譲マンション市場
第12回 分譲マンション市場は様子見から正常化へ
第13回 震災の影響で今年前半の分譲マンション市場は低迷

>>楽待コラム第一弾「誰にでもわかる不動産市況」はこちら

田村 修 田村 修(たむら おさむ)
■プロフィール
出版社勤務などを経て、1985年4月に株式会社不動産経済研究所に入社。
不動産業界唯一の日刊紙である『日刊不動産経済通信』の記者として、不動産関連業界を取材。大手ハウスメーカーやゼネコン、総合不動産会社、不動産流通会社、マンションデベロッパー、Jリート、国土交通省などを担当。
2008年2月から『日刊不動産経済通信』編集長。
株式会社不動産経済研究所のホームページはこちら

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