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不動産投資の楽待

日刊不動産経済通信 田村編集長の最新不動産市況

田村 修 田村 修(たむら おさむ)
株式会社不動産経済研究所、日刊不動産経済通信編集長の田村氏が、不動産経済研究所の調査結果などを織り交ぜながら、主に首都圏の分譲マンション市場を中心とした不動産市況を解説していきます。
第3回 高額所得層にマンションの買い時感広がる
公開日 2010/3/5
分譲マンション市況を占う指標の一つに、販売センターであるモデルルームへの来場動向があります。来場者数が多ければ、それだけ需要が旺盛だということになります。今年の年明け以降の各モデルルームへの来場者数は昨年に比べて概ね増えています。とくに、年収が比較的高い層の動きが活発になってきました。そのため、昨年まで売れ行きが比較的鈍かった5000万円を超える物件の販売状況が良くなっています。価格に対する信頼感がでてきたことと、貯まっていた需要が動き出したことが大きな要因です。
 
値下げ販売の終息で価格に信頼感
マンションの売れ行きを大きく左右するのは価格動向です。新築マンションの発売戸数が現在のように大幅に減少することになるきっかけをつくったのは、販売価格が上昇して市況が悪化したことです。売れ行きが悪くなれば、供給を抑えざるを得ません。金融危機に伴う不動産市況の大幅な悪化、独立系不動産会社の相次ぐ経営破たんなどで、2008年9月のリーマンショック以降、マンションの値下げ販売が横行し、価格に対する不信感が広がったのが昨年までの状況でした。

一方で、新築マンションの供給が大幅に減少したことによって需要のマグマが蓄積されています。住宅とはそもそも、必要だから購入するのであって、株や金融商品などのように、相場を読んで売買のタイミングを狙うという購入パターンとは基本的に異なります。買いたいという意欲がある限り、いつまでも様子を見るわけにはいかず、買うための決断をするときが必ずきます。

例え、そのときにマンション価格が値上がりしていても、購入できる価格であれば買う決断を下すでしょう。ましてや現在のように、アウトレットマンションや値下げ販売などによって、ある程度まで価格が下がれば、仮にこのあともう一段価格が下落するかもしれないとしても、これ以上購入を先送りする理由はそんなに多くはないはずです。

マンション価格は現在、安定しています。極端な値下げ販売や売れ残り物件を買い取って再販する動きはほぼ終息したため、これからは市場が再び正常に機能することが予測されます。
 
様子見していた高額所得層が戻ってきた
需要側でとくに動きが良くなったのは、年収が700万〜900万円台のアッパーミドル層と1000万円以上の高額所得層です。昨年までは、こうした比較的所得の高い需要層の動きが鈍かったため、5000万円台〜6000万円台の新築マンションの販売が苦戦しました。しかし、今年になってから中高額所得層に買い時感が広がっています。彼らはもともとマンションを購入できる層であり、市況の悪化により購入を見送っていた層ですが、そろそろ待ちきれなくなり、価格が安定したこともあって市場に戻ってきたようです。

もう一つ大きな理由があります。昨年暮れに決まった来年度税制改正で、住宅取得に係る贈与税の非課税枠が従来の500万円から1500万円に拡大されたことや、今年度第2次補正予算が1月末に成立し、住宅版エコポイント制度が創設されたことなどがマスコミを通じて報道されたことが需要を刺激したと考えられます。デベロッパーや住宅メーカーに対しては、エコポイント制度に関する問い合わせや相談が増えており、消費者の関心は高まっています。

東京都内の城西エリアで、ある大手デベロッパーが3月から分譲する総戸数800戸近い大規模マンションのモデルルームには、多くの来場者が訪れており、販売会社は大きな手ごたえをつかんでいます。第1期として300戸強を発売する計画で、5500万円台が最多販売価格帯です。発売戸数のボリュームとそれに対する最多価格帯は昨年までは想定できなかった供給スタンスですが、事業主であるデベロッパーは即日完売するだろうと強気の見通しを持っています。即日完売、もしくはそれに近い売れ行きであれば、第2期以降の発売にはずみがつくと同時に、首都圏のマンション市場全体の回復感が高まりそうです。
 
供給はまだ回復せず、価格の先安感は払拭
不動産経済研究所がまとめた1月の首都圏マンション市場動向によると、新規発売戸数は1586戸でした。前年同月と比べて9.9%減と約1割の減少となり、供給の減少はまだ続いています。エリア別にみると、供給戸数が最も多かった東京都区部は前年同月比11.9%増と二ケタの増加となり好調です。埼玉県は約2.5倍増と大きく増加し、千葉県も3割増と伸ばしています。逆に大幅に減少したのが東京都下で7割強の減少、神奈川県も5割強の減少と大きく落ち込みました。エリアによるバラツキが顕著だったと言えます。

売れ行きを表す契約率は70.3%で、前年同月より6ポイント上昇し、好調ラインを維持しました。供給が多かった都区部と埼玉がともに70%を超え、千葉が82.1%、都下が87.2%と高い契約率でしたが、供給が奮わなかった神奈川は前年同月と同様の52.9%となり、売れ行きも低迷しました。

平均価格は4138万円で、前年同月比0.8%ダウンとほぼ横ばいです。坪当たりの平均単価は200万円で、2.7%アップしました。都区部は平均価格が1.2%アップの4541万円と横ばいに近いのですが、坪単価は2割近いアップの260万円と大幅に上昇しています。販売価格を抑えるために面積を狭くする傾向にあります。都下は平均価格、単価とも二ケタのダウンとなりましたが、神奈川、埼玉、千葉はいずれも平均価格が上昇しており、埼玉と千葉は約1割アップしました。
 
春の商戦で市況の回復感が一気に高まるか?
年明け早々の新規供給戸数はまだ回復していませんが、モデルルームへの来場者の増加や高額所得層への買い時感の浸透など、マンション市場を活性化するための材料が出てきましたから、今後のマーケットへの期待感は高まっています。デベロッパー各社はゴールデンウィーク前後の春の商戦に向けて、目玉物件を準備しています。昨年マーケットの足を引っ張った価格の先安感を払拭し、大きなヤマ場である春の商戦で消費者のニーズをつかむことができれば、市況の回復感は一気に高まるのではないでしょうか。

バックナンバー
第1回 首都圏分譲マンション市場を概観する
第2回 分譲マンション市場は回復するのか?
第3回 高額所得層にマンションの買い時感広がる
第4回 長期優良住宅のマンションが徐々に浸透
第5回 春の商戦に向け好調なマンション市場
第6回 マンション市場を回復させた供給側の姿勢
第7回 郊外でのマンション供給が増えると市場がより安定
第8回 マンション商品企画のトレンド
第9回 今年の首都圏マンション市場を展望する
第10回 マンションデベロッパーの実情
第11回 震災後の分譲マンション市場
第12回 分譲マンション市場は様子見から正常化へ
第13回 震災の影響で今年前半の分譲マンション市場は低迷

>>楽待コラム第一弾「誰にでもわかる不動産市況」はこちら

田村 修 田村 修(たむら おさむ)
■プロフィール
出版社勤務などを経て、1985年4月に株式会社不動産経済研究所に入社。
不動産業界唯一の日刊紙である『日刊不動産経済通信』の記者として、不動産関連業界を取材。大手ハウスメーカーやゼネコン、総合不動産会社、不動産流通会社、マンションデベロッパー、Jリート、国土交通省などを担当。
2008年2月から『日刊不動産経済通信』編集長。
株式会社不動産経済研究所のホームページはこちら

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